とあるパーティ。
こんなことが起こるなんて、夢にも思いませんでした。
キャンドルの火が引火して、あわや大惨事。
幸いヤケドなどはありませんでしたが、いちばんお気に入りのブラウスには10cm以上の大きな穴があいてしまいました。
大ショック。。。
直してあげるよと親切なお友達の厚意に甘えて一度は預けたものの、やはり自分で直そうと引取り、でもいざ直そうとすると目の前のブラウスのあまりのヒドさに手が出ず、余計悲しさが増大してしまい、結局何もできないまま…(情けない…)
そして、ふと
(そういえば近くにお直ししてくれる小さな店があったなー。)
と思い出し、訪れてみました。
本当に小さな小さなアトリエ。
きっと何十年もそこでお仕事されているのでしょう、古いけれど大切にきちんと手入れされていて美しく堅実そうなミシンが、この店の自信と信頼を物語っています。
マダムは、手作りのお洋服を上品に可愛らしく着こなしていらっしゃる華奢なおばあちゃま。
私のような年齢の客は少ないのか、最初キョトンとされました。
事情を話しブラウスを見せると『これはひどいわね…着た時にわからないようにできるかどうかギリギリね…』と。
とてもお気に入りだから、どうしてもまた着たいと伝えると、やってみましょうと快く引き受けてくださいました。
もうこの瞬間には、きれいに直っているブラウスが私の頭の中にイメージされていました。
どうぞよろしくお願いします。とブラウスをマダムに託し、店を出る時に横目でミシンにも(よろしくね…)とこっそりお願いして。
そして一昨日、引き取りに再びアトリエを訪れました。
出ていらしたマダムはとてもいい笑顔で『わからないと思いますよ』と言いながらブラウスを見せてくださいました。
すごーい!
ほんとわからない!
着たら絶対わからない!
うれしい、うれしい。
マダムも私もニコニコ、ニコニコ。
たっぷりの愛をいただいてブラウスも嬉しそう。
『あなたの身代わりになってくれたのね』
『生き返らせてくださって、ありがとうございます』
『好きな服はたくさん着てあげてね』
『はい。大切にたくさん着ます。お世話になりました』
店を出る時にはミシンにもこっそりお礼を言って、ウキウキしながらアトリエを後にしました(スキップして帰りたかったくらい!)
家に帰って早速ブラウスを着てみると、本当にわからない!
『よかった。また一緒にいられるねー』
ブラウスに話しかけるという、かなり不気味な行為…笑
お直し代はかかったけれど、愛おしさは倍以上になりました。
パーティで、お気に入りの服が台無しになったことは、とてもとてもショックでしたし、主催者の言動も極めて残念なものでした。
何より自分に火がついてあわや大やけどを負っていたかと思うと、とても恐怖です。
これ、シルクだったから助かったんです。
もしポリエステルだったら…間違いなく私は大やけどを負っていたことでしょう。
やはり天然素材はすばらしい。
文字通り、私の身を守ってくれました。
今回、アトリエのマダムには、たくさん学ぶことがありました。
ひとつの仕事を極めるプロとして、ひとりの人として、女性として。
私の仕事に置き換えても、参考にしたいところがいっぱいです。
あの人に任せてよかった。
素晴らしい見事なお仕事でした。
いつまでもお元気で、たくさんの服を生き返らせてくださいね。
ありがとうございました。
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